千葉市議会議員選挙の分析(1)

今回の千葉市議選の結果について、分析を行っています。

まず、政党別の得票率を計算してみると、自民:34.62%、公明:15.64%、国民:8.41%、立民:12.00%、共産:10.39%、ネット:2.71%、無所属・諸派:16.24%(手計算なので間違いがあるかもです)となりました。これを議席数に換算すると、ほぼ今回の選挙で各政党が獲得した議席と一致します。

次に、民主系(国民民主党公認、立憲民主党公認)候補を見ると、前回の得票数との比較も踏まえると、国民民主党の公認候補の得票数は減少していますが、立憲民主党の公認候補の得票数は増加していることがわかります。今回、立憲民主党は4人の新人が当選しましたが、全体的には、国民民主党と立憲民主党の旧民主党系同士の票の奪い合いとなり、新たな票を掘り起こせていないケースとして見ることができます。特に稲毛区では、今回の民主系候補お二人を合わせた獲得票数は、前回の民主系候補お二人を合わせた獲得票数とほぼ一緒(148票減)となっています。

今回は千葉市議会議員選挙の結果のみの分析ですが、全国の選挙の分析を行うと、全体の傾向が見えてきて、それが国政選挙の行方を占う材料にもなります。

えっ、それは国の仕事じゃないの?


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えっ、それは国の仕事じゃないの?

千葉県議会議員選挙、千葉市議会議員選挙、3日目を迎えました。
駅に行くと、昼も夜も、多くの候補者が演説しています。その演説を聞いていると、政党の政策ではなく、候補者自身の政策に関してですが、「それは国の仕事では?」と思うことや、市議会議員選挙の立候補者の演説を聞いていると「それは県の仕事では?」と思うことがあります。
そもそも、国、広域自治体、基礎自治体は、それぞれ「権限」が違うので、「できること」と「できないこと」があります。少なくとも、「国の仕事」、「広域自治体の仕事」、「基礎自治体の仕事」は整理しておく必要があると思います。
もちろん、多くの候補者の皆さんは、勉強されて、ご自身なりの考えをまとめ、主張をされています。しかし、時に「勉強不足だなぁ」と感じる候補者がいることも事実です。
また、抽象的な政策を語る候補者もいます。現在、EBPM(エビデンス(論拠)に基づいた政策形成)の取り組みが進められており、候補者にも、データや分析結果などの論拠、「エビデンス」に基づいて政策立案をして欲しいと感じます。その点では、政策研究者の役割は重要になっていくかもしれません。
候補者の皆さんには、「政令市」の仕事、権限を整理された上で、地域の課題解決のために、具体的に、何を、どのように取り組むのか、ということを示して欲しいと思いました。

選挙は、「ゴール」か「プロセス」


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選挙は、「ゴール」か「プロセス」か

さて、3月29日全国で道府県議会選挙、政令市の市議会議員選挙が告示されたのですが、千葉県議会議員選挙では、千葉市稲毛区と千葉市若葉区を始め17選挙区が無投票になりました。ちなみに三重県議会議員選挙も、松阪選挙区も無投票になったようです。

供託金、活動資金、職場の理解、周囲からの評判。様々なハードルがあると思います。投票率の問題も指摘されますが、地域によっては、立候補者数の問題も大きな課題です。

選挙とは「ゴール」なのでしょうか。それとも「プロセス」なのでしょうか。

地方選挙で候補者や応援演説で聞きたいことは、永田町の論理や政党の論理でもなく、有名人の話でもなく、候補者自身が、自分たちの「まち」の問題を、どのように考え、その問題に対して、具体的に、4年間、どのような活動していくのか。その考えやプランです。それを有権者が評価して、投票先を決める。これが本来の「民主主義」だと思います。

その意味で、選挙は「プロセス」だと思います。選挙というプロセスの中で、候補者自身を育てるプロセス。候補者が掲げる政策が掘り下げられ、共感が広がり、議論を尽くし、「みんなの考え」となっていくプロセス。

そのプロセスを作っていくためには、積極的に候補者同士の議論をしてもらいたいです。自分の意見を主張するだけではなく、議論を戦わせてもらいたいと思います。

選挙は議論を深める機会 -民主主義のインフラづくりを進めよう-


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選挙は議論を深める機会-民主主義のインフラづくりを進めよう-

3月29日(金)から、千葉県議会議員選挙と千葉市議会議員選挙が始まります。「投票率」にも注目が集まりやすいのですが、選挙期間直前に「投票に行こう」と活動をしても、実際の投票行動に結び付くかどうかは難しいところです。大切なのは、普段から、自分の身近な問題に関心を持つこと、自分に関わる集合的意思決定に関わり、「決める」経験、「変える」経験をすることが重要だと思います。
選挙期間は、候補者の方が、自分の考えや意見を有権者の方に主張できる機会でもあります。名前の連呼だけではなく、ぜひご自身の意見を主張していただきたいですし、有権者も交えて、大いに議論を深め、論戦を繰り広げてもらいたいと思います。
選挙とは、「議論を深める機会」だと思います。そのためには、まずは「知る」こと、次に「関心」を持つこと、そして、自らが何らかの形で「関わる」ことが必要で、そうした仕組みをデザインする必要があります。
そこで、矢尾板研究室では、ゼミ生の皆さんと一緒に、WEBページを通じて、議論を深めるための情報を集め、発信することになりました。
特定の候補者を応援するためではなく、みんなで議論を深め、みんなで、社会の課題を解決していく、そうした民主主義のインフラづくりを進めていきたいと思います。