第49回衆議院総選挙をズバッと語ろう④
地政学からみた世界について語りました。
第49回衆議院総選挙をズバッと語ろう③
第49回衆議院総選挙について、矢尾板俊平がいろいろとお話します。第3回目は、成長と分配についてです。
第49回衆議院総選挙をズバッと語ろう②
第49回衆議院総選挙について、矢尾板俊平がいろいろとお話します。第2回目は、候補者アンケートについてです。
第49回衆議院総選挙をズバッと語ろう①
衆議院総選挙の争点を整理してみました
2021年10月19日公示、10月31日投開票の第49回衆議院総選挙の争点を整理してみました。
ちばダブル選挙の振り返り③ 投票率と得票率の関係
ここで投票率と熊谷氏と関氏の得票率との関係について、確認してみましょう。市町村別の各氏の得票率、同じく市町村別の熊谷氏と関氏の得票比率などの数値を算出し、市町村別の投票率や投票率の前回比の数値との相関値を求めてみました。
そうすると、投票率よりは、投票率の前回比の数値が、「熊谷氏の得票割合」と「熊谷氏と関氏の得票比率」との間での相関値が0.5~0.7の間に入っているので、強いとは言えませんが「相関がある」ということがわかります。
もちろん、相関関係は、原因と結果を説明する因果関係を説明するものではないので、投票率が前回から増加したから、熊谷氏の得票割合が増加した、投票率が前回から増加したから、熊谷氏と関氏の得票比率が増加した、という説明はできません。しかし、投票率が前回よりも高い市町村では、熊谷氏の得票割合や熊谷氏と関氏の得票比率も、ある程度高いということは言えると思います。
表では、市町村別の熊谷氏の得票割合が高い上位20位までの市町村(千葉市は区別)をまとめたものです。投票率は、千葉市の各区は10ポイント以上の増加となっていますが、その他の市町村も大きく増加していることがわかります。
一方、2017年の選挙では、森田氏が内房・外房の市町村で得票を重ねていたことがわかります。(この傾向は、森田氏の3回の選挙を通じた傾向と言えます。)
今回の選挙では、千葉市を中心とする都市部の投票率が大きく増加したこと、また、その都市部で多くの有権者が熊谷氏に投票したことが、1,409,496票という過去最高の得票数につながっているように考えられます。
ちばダブル選挙の振り返り② 佐倉市で何があったのか?
今回の千葉県知事選挙の投票率は、38.99%でした。2001年以降の県知事選挙の投票率としては、高い方からも低い方からも3番目の数字となりました。(今回の選挙は、2001年以降、6回目の選挙となりました)。
2001年以降で、最も投票率が高かったのは、森田健作氏が初めて当選を決めた2009年の選挙(45.56%)で、森田氏のほか、吉田平氏、白石真澄氏などが出馬しました。次に高かったのは、2005年の選挙(43.28%)で、堂本暁子氏の2選目で、森田氏が初めて出馬し、約6000票の差で堂本氏が再選を決めた選挙でした。そして、今回の令和3年の選挙が3番目となります。
また、市町村別で見ると、2005年以降、1位であった東金市が2位となり、同じく2009年以降、2位であった鋸南町が1位と逆転しました。また、千葉市美浜区が3位になりました。
ダブル選挙となった千葉市では、前回選挙と比較して、14.08ポイントの増加となりました。一方、浦安市では、前回選挙と比較して、0.62ポイントと、大きな増加にはなりませんでした。ただ、これは浦安市は、前回も松崎市長の県知事選挙出馬による辞職に伴うダブル選挙となっため、前回も投票率が増加したことが理由であると言えます。東金市の投票率が高いことも、市議会議員選挙とのダブル選挙であると言えます。
このようにダブル選挙は、投票率を高める効果があるということを、今回の千葉市の投票率からも推定できます。また、選挙事務負担や費用の効率化という点でも、ダブル選挙は意味があると言えます。
興味深いのは、佐倉市です。今回の選挙で、10ポイント以上の増加となったのは、千葉市と佐倉市の両市です。千葉市は、上記のようにダブル選挙であったことが理由として考えられますが、佐倉市では、市長選挙も市議会議員選挙も行われておらず、県知事選挙だけです。一体、何が起きたのか、大変興味があります。
なお、投票所別でみると、山王小学校投票所で51.87%、佐倉東中学校投票所で51.78%、臼井南中学校投票所で50.44%でした。
ちばダブル選挙の振り返り① 政治的資本
千葉県知事選挙、千葉市長選挙の投開票日から一夜が明けました。熊谷俊人氏は、1,409,496票を獲得し、全体の70.5%の得票率という圧倒的な勝利となりました。
選挙での得票は、その後の政策を推進していくための源泉である「政治的資本」になります。今後、熊谷県政を推し進めていくためには、議会の過半数を占めている自民系会派との関係が焦点となりますが、今回の選挙結果は、直近の民意として、議会との関係にも大きな影響を与える結果となったと言えます。
さて、ここで「政治的資本」という言葉を紹介しておきます。「政治的資本」とは、政権や首長が政策を推進するための資源と言えると思います。具体的に言えば、民意(支持率や直近の選挙結果)であったり、信頼関係であったり、ネットワークであったりします。
民主主義社会においては、決定よりも、むしろ決定までのプロセスが重要であると考えます。最終的には、何かしらの決定をしなければいけないのであれば、決定にあたって、皆がそれなりに納得できるものであるのか、合意できるものであるのか、または、その手続きは適正であったのか、ということが問われます。
その決定プロセスにおいて、様々な交渉が行われたり、調整が行われたり、説得が行われたりします。その時に重要となるのが、政権が政治的資本をどのぐらい有しているのか、ということになります。
反対の立場をとる人々も、政権や首長の政治的資本が大きければ、例えば、民意(支持率や直近の選挙結果)を踏まえた対応をせざるを得ません。一方、政権の政治的資本が小さければ、政権に徹底的に対峙することもあり得ましょう。
一方、世論を二分する議論で、政治的資本を使って、何かしらの決定をした場合に、その政治的資本は費やされます。大なり小なり、時間の経過とともに、政治的資本は変わっていきます。
選挙とは、政権や首長に、政治的資本を与える機会でもあると言えます。つまり、単に当選者を決めるための機会でなく、一人ひとりの一票は、その後の政策の推進に、どのぐらいの力を与えるのかということになるので、一人ひとりの一票には、大きな意味があるのです。
※図は、市町村別にみた熊谷氏の得票割合。(出所:千葉県選挙管理委員会)。特に、千葉市を中心に都市部での得票割合が高いことがわかります。
千葉県知事選挙 Policy Debate 2021
今回、ちばでも実行委員会では、下記、千葉県知事選挙特別対談「市議会議員&若者からみた千葉県知事選から千葉の未来について語り合おう~」において、参加した県内の大学生、パネリストの市議会議員の方たちと一緒に、若者世代や市町村の立場から、県知事候補の皆さんへの政策提言をまとめ、お送りしました。
お忙しい中、若者世代からの提言に耳を傾けていただき、そして回答にご回答いただき、ありがとうございました。心より、感謝申し上げます。
各候補からのご回答
熊谷 俊人 氏
回答を頂きました。回答は、こちらです。
後藤 輝樹 氏
回答を頂きました。回答は、こちらです。
加藤 健一郎 氏
連絡先が不明で、アンケートを送付できておりません。
金光 理恵 氏
回答を頂きました。回答は、こちらです。
皆川 真一郎 氏
回答を頂きました。回答は、こちらです。
関 政幸 氏
回答を差し控えるとの連絡を頂きました。
平塚 正幸 氏
未回答です。(3月20日正午時点)
河合 悠祐 氏
未回答です。(3月20日正午時点)
政策提言
(1)県と政令市との連携を強化し、二重行政の問題を解消するため、「県市戦略協議会」の設置を!
(2)県と市町村、産業界・大学等との連携を強化するため、「ちば戦略会議」の設置を!
(3)県内市町村間の連携を促進するため、自治体間協定を締結した地域に、上乗せ補助金の交付を!
(4)県の取り組みについて、こども・若者の意見を聴取したり、こども・若者のアイディアを実現したりするためのサポートをするなど、こども・若者の意見を県政に反映させるために「ちば若者政策会議」の設置を!
(5)CO2削減を目指し、東京都や埼玉県が実施している「キャップ・アンド・トレード制度(目標設定型排出量取引制度)」を導入し、早期に、東京都と埼玉県との連携協定の締結を!
(6)北総線、東葉高速鉄道に関して、住民の運賃負担の軽減策について、国とも協議し、県・市町村と連携できる仕組みを!(羽田・成田の一体化運用にも寄与するように)
(7)「千葉の元気応援プロジェクト」(各地域の魅力を高める取り組みや地域の課題を解決する取り組み)を立ち上げ、アイディアコンテストを実施し、助成をしていく仕組みを!
(8)千葉県男女共同参画条例の制定を!
(9)多文化共生推進プランをさらに発展させ、千葉県多文化共生推進条例の制定を!
(10)発達障害、知的障害を抱える方の就労支援の充実や農福連携(ソーシャルファーム)の取り組みの推進を!
(11)災害発生時に、県と市町村、市町村間の情報連携とコミュニケーションを円滑に進めるため、IoT技術を活用した情報ネットワークの構築を!
パネリスト:
水野実氏(千葉県浦安市議会議員)
高山敏朗氏(千葉県八千代市議会議員)
山本直史氏(前千葉県千葉市議会議員)
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淑徳大学コミュニティ政策学部矢尾板ゼミ学生
モデレーター:矢尾板俊平(淑徳大学コミュニティ政策学部教授)